連合いわく「フリーランスは保護する必要がある」らしい

連合いわく「フリーランスは保護する必要がある」らしい犬

日本労働組合総連合会(以下、連合)によると、フリーランスの8割が不安を抱えているらしい。

連合が、インターネットを介して受注しフリーランスとして働く千人にアンケートを実施、「働く上で不安に思う」と答えた人が8割に上ると発表した。

出典:ネット受注に「不安」が8割 フリーランス、連合調査

私自身、連合の言う『インターネットを介して仕事を受注しているフリーランス』であるため、「世の中には苦労している人が多いのだな」と感じた体で、どれどれどの様な調査結果が出ているのかと確認した。






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連合がフリーランスの状況を調査! そのポイントを紹介


まず調査対象は、マッチングサービスやSNS等を通じて仕事を受注している20才以上の男女1,000人とのことである。

ネット受注をするフリーランスとしての働き方を、どのような位置づけで行っているか聞いたところ、「専業である」は 37.5%、「本業は別にあり、副業として行っている」は 44.8%、「本業を決めず複数就業の一つとして行っている」(以下、「複業」)は 17.7%となりました。

出典:ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

・専業37.5%

・副業44.8%

・複業17.7%

内訳はこの通りとのこと。

何故、副業と複業を分けたのかはイマイチよく分からないが、言葉遊びを好む人間がいたのだろうとひとまず流しておく。

尚、男女比は7:3程度。

これが何かしら結果に影響したのかもひとまず無視する。

連合によるフリーランス調査のポイント

今回の調査結果について、連合がポイントとして挙げている内容は以下の通りだ。

◆ネット受注をするフリーランスとしての働き方を選んだ理由
TOP2「収入を増やしたかった」「自分のペースで働く時間を決められる」(P.7)
◆ネット受注をするフリーランスの 80.9%が働く上で不安を抱え、
最多は「収入が不安定」、
「報酬額や条件の一方的な変更」、「失業手当がない」が上位に(P.8)
◆ネット受注をするフリーランスの 50.6%が働く中でトラブルに遭遇したことがあり、
TOP2 は「不当に低い報酬額の決定」「納期や技術的になど無理な注文」(P.12)
◆ネット受注をするフリーランスの総合満足度は 48.6%であるものの、
収入満足度では「不満」が「満足」を上回る(P.16)
出典:ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

連合が主張する「フリーランスの保護」に関わる点についてざっくりまとめると、以下の通り。

・フリーランスの8割以上が不安を抱えている

・不安要素で最も大きいのは「収入が不安定」

・50%以上のフリーランスがトラブルに遭遇したことがある

・トラブルの上位は「不当に低い報酬額」「無理な注文」

・収入の満足度は不満が満足を上回る

要するに「仕事内容の割に稼ぎが少なく、将来が不安」と言えるように感じる。


フリーランスの平均月収は保護が必要なほど低いのか? 調査結果を検証する


ということで、実際のところ稼ぎの状況はどうなのか資料を読み進めた。

尚、ここからは他に仕事のある副業・複業をひとまず無視して、専業について見ていきたいと思う(ぶっちゃけ副業の収入等を保護しろというのは、「なんじゃそりゃ」という話だろう)。

ネット受注をするフリーランスの平均月収 専業 168,600 円、副業 60,201 円、複業 85,960 円
出典:ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

専業の平均月収は168,800円とのことだ。

確かに低い。

しかし、あくまで平均額であり、内訳を見ると300,001円以上の人間が23.2%で最も多くなっていることが分かる。

ちなみに100,000円以下の層を合算した割合が39.7%である。

要するに極端に稼ぎが少ない人間が平均を低くしている状況と言える。

 

(月収100,000円以下の専業を果たして専業として扱うのかは疑問しか感じないけれど……ぶっちゃけ趣味なのでは? 税務署だって事業と認めるのか疑問である)

 

尤も、今話しているのは被雇用者ではなく個人事業主についてである。

月収ではなく月商というのが正確であり、あくまでこれは売上金額の話だと思われる。

 

(とはいえ、調査対象者の大多数がクラウドソーシング利用者とのことなので、売上から手数料を引いた利益を回答している可能性は十分にあると感じるけれど)

 

又、各種税額を引けば、間違いなく先に示した月収よりも少ない金額が手取りになるだろう。

しかし、そういった細かい話をすると切りがないので、とりあえず「フリーランスの平均月収は168,800円ということで話を進める。

フリーランスの平均労働時間・平均時給はどうなっているのか?

さて、月収168,800円である。

一般的に考えてかなり低い報酬額と言えるだろう。

確かにこの金額を提示されると「保護が必要だ」と言われて納得しそうになる。

ただ待って欲しい。

フリーランスは被雇用者と違い、労働時間の制約がない。

完全裁量労働である。

つまり金額だけを見ても、それが高額なのか低額なのか判断するのは難しい。

月収168,800円も、それを稼ぐのに1時間しかかからない場合と100時間かかる場合では印象が大きく変わる。

ということで、一体専業フリーランスはどれくらい働いているのかを見ていこう。

ネット受注をするフリーランスの就業実態 労働日数は平均 3.7 日/週
専業は平均 4.4 日/週、副業は平均 3.1 日/週、複業は平均 3.8 日/週
出典:ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

週4.4日とのことである。

大体週休3日程度。

マイクロソフトでも意識しているのだろうか。

一応内訳を見ると、週5日労働(38.7%)と週4日以下労働(39.7%)が拮抗する。

もちろん週6日以上働いている人間もいるが、全体から見れば少数派である。

時間はどうだろうか?

平均はそれぞれ専業 6.2 時間、副業 3.2 時間、複業 4.2 時間でした。
ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

1日6.2時間とのことだ。

マイクロソフトもびっくりなのではなかろうか。

週休3日で1日6時間労働。

夢のような生活だと感じる人は多いだろう。

一応内訳を見ると、8時間以上(26.7%)、6〜8時間(29.6%)、6時間未満(43.7%)とのこと。

6時間を境に拮抗している様子が見える。

保護しなければならないほどフリーランスは劣悪な状況にあるのか?

さて、ではここで専業フリーランスの労働状況をまとめておこう。

・平均月収168,800円(2,025.6千円/年)

・平均労働日数4.4日/週(228.8日/年)

・平均労働時間6.2時間/日(1,418.56時間/年-118.21時間/月)

である。

これを元に時給を計算すると、1427.9円/時である。

参考までに2018年の賃金行動基本統計調査(306.2千円/月)と毎月勤労統計調査(148.6時間/月)を元に、労働者の平均時給を算出すると2060.5円/時である。

2018年改定の最低賃金(全国加重平均)848円。

2019改定の最低賃金(全国加重平均)901円。

この1年でベースアップが行われていることを考えれば、被雇用者の平均時給はもう少し上がっている可能性がある。

比較すれば、フリーランスの時給の方が低いのは明らかである。

しかしながら、最低賃金と比較した場合に遥かに高いのも事実だ。

そしてフリーランスの労働時間は被雇用者の平均より明らかに少ない。

同じだけの時間働けば、月収は50千円ほど増え210千円を超える計算になる。

果たして保護が必要なほど劣悪な状況なのだろうか?

そもそも収入に不安があるのであれば、明らかに少ない労働時間を増やせば良いのである。

今回の調査では不当に低い報酬が設定されているというのが、本当にそうなのだろうか?

どのような内容の仕事に従事しているか聞いたところ、「データ入力作業」(29.8%)が最も高く、次いで、「文書入力、テープ起こし、反訳」(17.7%)、「添削、校正、採点」(12.2%)、「原稿・ライティング・記事等執筆業務」(6.6%)、「取引文書作成」(6.4%)となりました。
出典:ネット受注をするフリーランスに関する調査2020

時給1427.9円と考えたとき、プログラミングやアプリ開発ならば、明らかに専門的な技術職であることから、不当な報酬額と言われて説得力がある。

一方、データ入力や文書入力、テープ起こしなどはどうだろうか?

寧ろ良心的な報酬額だと感じる人がほとんどではなかろうか。


連合によるフリーランスの保護の主張は妥当性があると思えない


連合は客観的な視座なく、回答者の不満をそのまま真に受ける形で「保護が必要」と言っているようにしか感じられない。

また、フリーランスの報酬が時給1427.9円と考えたとき、連合が本来保護を訴えるべきは、その金額より遥かに低い賃金で働いている最低賃金労働者の方ではないだろうか。

フリーランスの保護も大事なことだろう。

しかしながら今回の連合の主張は、いささか無理筋にも感じられる一方的な主張であるように感じる。



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