ブラックインターン被害を避けるために学生が知っておきたいインターンシップとお金のこと

ブラックインターン被害を避けるために学生が知っておきたいインターンシップとお金のこと

君はタダ働きさせられていないだろうか?

誰であろうと、仕事をすればその対価として金などの報酬をもらうのが当然である。また、その仕事が会社などに所属して行う労働ならば、法律で報酬をもらうことが定められている。

ところが昨今、インターンシップやボランティアと称して、人をタダで働かせようとする人々が少なからず目に入る。

とくにインターンシップにおいては、学生が社会や労働法制に無知な点を利用し、使い勝手の良い労働力として悪用する事業所が問題になることも少なくない。

そこで今回は、インターンシップにおいて賃金を貰うべき内容であるにもかかわらず、賃金をもらえずタダ働きさせられる学生が現れないよう、インターンシップと賃金の関係について少し事例などを見ていこうと思う。

目次





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インターンシップと称して無賃労働をさせるブラックインターンに学生は注意

インターンシップを行う上で、最も知っておいて欲しいのは、「インターンシップだからといって賃金が発生しないなどということは無い」点だ。

以前「復興庁「復興・創生インターン」はブラックインターンなのか?」の記事でも指摘したが、インターンシップにおいても、労働者性が認められるような内容であるならば、賃金を支払う義務が生じる。

当然ながら、その際は労働者としてみなされるのだから、労災などの適用にもなる。インターンシップを行う事業者の中には、この点を誤解している人も少なくない。中には、学生の無知につけこみ悪用しようとする事業者も存在する。

事業所側の誤解によって生じたインターンシップトラブルについて、最近の事例でいえば「インターンシップ学生に不払い労働 農業生産法人に勧告 石巻労基署」が挙げられる。

このケースでは、石巻市の農業生産法人アルコバレーノファームが、インターンシップと称して、東北学院大経済学部の学生2名に対し、資料やWEBサイトの作成、イベントでの商品販売などを無賃で行わせたことが問題となった。結果としては、石巻労基署が勧告を行い、事業所側が賃金の支払いを進める方向で解決に向かっている。

このように表沙汰になるものやそうならないものも含め、インターンシップの賃金の支払いの有無にまつわる問題は少なくないと見られている。中には「やりがい」や「貴重な体験ができる」といったようなことを謳うケースもあるほどだ。

しかし、どれだけ素晴らしい体験ができようとも、それが労働とみなされるような内容ならば、支払うべきものは支払わなければならない。その点を履き違えてはいけないのである。

インターンシップでも賃金が支払われなければならない労働者性の基準は何か

インターンシップだからといって賃金を支払わなくて良いわけではない。では、どのような内容ならば賃金を支払う必要があるのだろうか?

これについては、「復興庁「復興・創生インターン」はブラックインターンなのか?」でも紹介した通り、「インターンシップ受入れにあたって -長野労働局・各労働基準監督署-」が参考になる。ここでは、インターンシップを行った学生に労働者性が認められる内容として以下の内容が記されている。

  • ・見学や体験的な要素が少ない。
  • ・使用者から業務に関わる指揮命令をうけている。
  • ・学生が直接の生産活動に従事し、それによる利益・効果が当該事業所に帰属する。
  • ・学生に対して、実態として何らかの報酬が支払われている。

出典:インターンシップ受入れにあたって -長野労働局・各労働基準監督署-

この目安は、「平成 9・9・18 基発 636 号」「 昭和 57・2・19 基発第 121 号」の内容を踏まえて示されているものである。では、「平成 9・9・18 基発 636 号」「 昭和 57・2・19 基発第 121 号」とは何か?

「一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる」とさ
れています(旧労働省平成9年9月18日基発第636号)。

出典:インターンシップ活用ガイド活用編 -経済産業省-

まず「平成 9・9・18 基発 636 号」について。この内容から、どのような場合に労働者性が認められるかが読み取ることができるだろう。簡単にまとめると以下の場合に労働者性が認められ得るとしている。

  • 指揮命令を受けており、使用従属関係が認められる
  • 直接生産活動に従事しており、その活動による利益や効果が当該事業場に帰属している。

一方、「 昭和 57・2・19 基発第 121 号」はどういう内容なのか? これは「商船大学及び商船高等学校の実習生の労働者性について」というもので、具体的にどのような場合に労働者性が認められないかを知る手がかりになるものだ。ここでは、具体的に次のような内容について労働者性が認められなかったことが記されている。

  • 大学等の教育課程の一環として、甲種2等機関士等の海技従事者国家試験の受験資格に必要な乗船履歴(一部向上における実習で代替できる)を取得させるために行われていること
  • 実習実施について、大学側から委託事業場に対して所定の教育実習委託費が支払われていること
  • 大学側が工場実習規定等(実習期間や科目、実施体制、履修状況の把握、成績報告、表彰、制裁など)を定め、実習がこれに従って行われていること(但し、具体的な実習内容は、委託事業場に任されていること)
  • 実習が、委託先事業場の従業員で大学側から実習指導を委嘱された指導技師の指導の下で行われていること
  • 現場実習が、一般労働者と明確に区別された場所で行われているか、見学によって行われているが、生産ラインの中で行われている場合であっても軽度の補助的作業に従事するにとどまり、直接生産活動に従事することがないこと
  • まず指導技師によって把握されている実習生の欠勤、遅刻、早退の状況や実習生の履修状況を、工場実習規定などによって定められた所定の手続きによって、最終的に大学側によって把握、管理されていること
  • 実習生に対する制裁が、たとえ実習生の実習規律として委託先事業場の諸規則を準用していたとしても、違反した場合に委託先事業場として制裁を課されないこと
  • 実習手当について、実費補助的なお金か恩給的なお金であること(交通費などについても同様)

つまりここから、あくまで学校教育の一環として行われていると認められる場合、労働者性が認められないことが分かる。逆をいえば、学校教育の一環として行われていないインターンシップにおいて、先に記した以下の2点。

  • 指揮命令を受けており、使用従属関係が認められる
  • 直接生産活動に従事しており、その活動による利益や効果が当該事業場に帰属している。

このような実態が確認された場合、それはインターンシップであったとしても労働者性が認められる可能性が高くなるといえる。そして、そのようなインターンシップで最低賃金以上の賃金が支払われていないとすれば、そのインターンシップは違法である可能性が高くなるといえるのだ。

こういったものについて、以前労働基準監督署に確認したところ、「最終的に個別具体的な内容については、本人の申出がないと対応が難しい」とのことだった。つまり、インターンシップに参加した本人が、おかしいと感じ自ら相談に行かなければ、たとえそれが本来賃金をもらうべき内容であっても、泣き寝入りせざるを得ないことになりかねないということである。

事業所側がそのような違法行為を行わないのが在るべき姿だが、事業所側がコンプライアンス(法令遵守)について怠慢であったり、或いは悪意を持っているケースは決してゼロでない。

だから、本来的には不要な手間かもしれないが、学生側もインターンシップをするのであれば、事前に「インターンシップだからといって賃金が支払われなくて良いなどということはあり得ない」ことを知っておくべきだろう。また、どのような内容について労働者性が認められるのか意識しておくに越したことはない。

学生生活という限りある時間を、コンプライアンスの機能していない事業所に付き合い、無為に過ごすことがあってはならない。また、労働したならば、しっかりと対価を受け取る必要がある。それが社会のルールなのだ。

有償インターンシップという選択肢もある

「インターンシップだからといって賃金が支払われなくて良いわけではない」と分かったとしても、学生が個々で労働者性の有無を判断するのは極めて難しいのは事実である。

手っ取り早い対処方法としては、自分が参加したインターンシップの内容を記録し、終了後に労働基準監督署などに相談する方法が挙げられる。しかし、それこそ手間だという学生は少なくないだろう。

そういった学生については、やはり最初から賃金や報酬を支払うことを明示しているインターンシップを受けるのが得策である。そもそも、今は有償インターンシップがゼロではない。あえて無償インターンシップなどやる必要はないとすらいえる。いっそアルバイトでもした方が良いかもしれない。

無償インターンシップの全てがタダ働きさせる意図があるとは言わない。素晴らしいインターンシップも少なくないは一定の事実である。しかし、せっかく現実の仕事に触れるのであれば、やはり報酬があった方がやりがいや責任を感じ、より濃密な体験ができる学生は多いだろう。

有償インターンシップとしては、たとえばLINE株式会社が1ヶ月40万円のインターンシップを募集したことで話題になった。またヘッドハンティングなど人材ソリューション・アウトソーシング業務を行っているジーニアス株式会社も時給1000円の短時間インターンシップを募集している。LINE株式会社に比べれば報酬が少ないと感じるかもしれないが、様々な業界や企業、仕事について深い知見を得られるのが魅力である。

日本最大級の就活サイト「リクナビ」の掲載企業を調べると、インターシップを募集している企業数が約5,500社。そのうち報酬ありのインターンシップが約250社。なんと報酬ありのインターンシップは全体の5%ほど。

出典:インターンシップの報酬・給料は平均いくら貰える? -ゼロワンマガジン-

これまで無償インターンシップが主流であり、その流れ自体はまだ大きく転換したとはいえない。しかし、ここに書かれているように有償インターンシップも決して少なくないのである。むしろ5%もあるのかと思う人も少なくないかもしれない。

インターンシップは、数多くの職場をその目で確認し、就活などに大いに役立てられる貴重な機会だ。しかし悲しいかな、世の中にはそういった機会を求める学生を、「やりがい」や「貴重な体験ができる」といった甘言で唆し、安い労働力として使おうと考える事業所も多いのが実態である。

学生たちの貴重な時間が大人の都合で無駄に消費させられない健全なインターンシップ環境が整うこと、学生たちがより高い価値のあるインターンシップが受けられる健全な社会になることを願ってやまない。ブラックインターンなど、あってはならないのである。


 

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「AIスカウト」は合法・違法どちらなのか? 厚労省に職業安定法上の見解を訊いた

「AIスカウト」は合法・違法どちらなのか? 厚労省に職業安定法上の見解を訊いた

「求人を探して、履歴書を作成し、面接を受けるのが面倒臭い」

 

就職活動や転職活動を経験したことのある人ならば恐らく誰もが一度は思ったことがある不満だろう。

 

「会社の方からアプローチしてもらい、そこから働きたい場所を選べるなら良いのに」

 

このような怠惰な発想をしたことのある人も少なくないはずだ。

そういった中、2018年初頭にNHKが報じたことで話題になったのが「AIスカウト」である。

 

しかし、このとき話題になったAIスカウトの内容に対して、違法性があるのではないかと話題になったことも記憶に新しい。

私もその一人である。

 

ただし、私が違法性を覚えたのは、多くの人々によって疑義が指摘された点とは異なる。

広く疑義が寄せられたのは、個人情報の取扱についてだった。

私が疑義を抱いたのは職業安定法上の取扱である。

 

今回は、一時期話題になった「AIスカウト」について、職業安定法上問題はないのか、厚生労働省職業安定局需給調整事業課に確認した内容を伝えたいと思う。

目次





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合法か違法か物議を醸したAIスカウトとは何か?

 

一時期話題になった「AIスカウト」について、その後話題になることがなかったこともあり、そもそも一体どういうものなのか分からないという人も多いかもしれない。

 

話題になったのは、株式会社scoutyが提供するサービスで、「日本初のAIヘッドハンティングサービス」と謳われるものである。

 

学習能力に優れた人工知能が、インターネット上のオープンデータから情報を取得して、
エンジニアの能力を自動分析し、最適な企業とマッチング。

出典:株式会社scouty

 

つまり、求職者は求人サイトに登録することなしに企業側からオファーを受けられるというサービスである。

概要としては、株式会社scoutyが運用するAIが、インターネット上にある情報(個人のブログやSNS、技術者情報共有サービスなど)を収集し、求職者のデータベースを作成。

その求職者の情報(匿名情報としている)を元に、企業側はオファーを送りたい人物を選び、株式会社scoutyのサポートを受けながら作成したオファーを送付。

求職者側と直接やり取りを行うというサービスだ。

 

2018年5月5日時点で、以下の上場企業を含む、ベンチャー企業などが利用しているとのこと。

  • 楽天
  • DeNA
  • Cyber Agent
  • freee
  • News Picks
  • Gunosy
  • Retty
  • eureka
  • team Lab
  • MISOCA
  • TeamSprint
  • nextremer
  • コロプラ
  • coconala
  • giftee
  • Game With

AIスカウトに寄せられた「個人情報の保護に関する法律」にまつわる合法か違法かの疑義

 

AIスカウトがNHKによって報じられた後、瞬く間に広がったのは、その適法性についてである。

つまり、そもそもこのサービスは合法なのか違法なのかといった点だ。

 

AIによる人材紹介と個人情報

SNSなどネットで個人情報を収集する”AIスカウト”人材紹介会社について考える

 

違法か? 合法か? これ対して指摘された内容について幾らか取り上げれば、主に以下の点があげられる。

 

また、この他「情報収集先(情報ソース)として利用されているサービス(qiita)の利用規約違反にあたるのではないか」「オプトアウト方法の不在は問題でないか」などの指摘も行われていた。


出典:Hiromitu Takagi on Twitter
※後日規約変更が行われており対処されているものもある

 

尚、これら全てへの回答があったわけではないが、個人情報の取扱については、株式会社scoutyのホームページ上にて公表されている。

 

それによれば、以下の人物によって確認が取れているとのこと。

ただし、この内容は3月25日時点のもの。

出典:HiromitsuTakagi on Twitter

5月5日時点では以下のように変更されている。

scoutyは、ひかり総合法律事務所 板倉陽一郎弁護士をはじめとする複数の弁護士に相談の上、法令を遵守した運営を行っております。

出典:株式会社scouty

 

なぜ経済産業省商務情報政策局情報経済課及び個人情報保護士の名称が消えたのかは分からないが、少なくともひかり総合法律事務所の弁護士によって合法性は担保されているということなのだろう。

 

この個人情報の保護に関する法律の取扱上、株式会社scoutyのサービスが合法なのか違法なのかは、私の方でも確認ができていない。

そのため、現実問題どうなのかは分かりかねる。

しかし、少なくとも弁護士による確認ができており、当局から何らかの指摘がなされているといった話題が出ていないのは確からしいといえる。

AIスカウトは職業安定法上合法なのか? 違法なのか? 厚労省職員の見解

 

さて、個人情報の保護に関する法律において、株式会社scoutyのAIスカウトに疑義が寄せられている点については、上記の通りだ。

一方、先ほど少し指摘があった旨を書いたが、AIスカウトに関しては職業安定法上も疑義があったことは見ての通りである。

私が真っ先に疑義を感じたのも、個人情報の保護に関する法律ではなくこちらの方だ。

 

先ほど指摘されていたのは5条の6。

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求職の申込みは全て受理しなければならない。ただし、その申込みの内容が法令に違反するときは、これを受理しないことができる。
○2 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、特殊な業務に対する求職者の適否を決定するため必要があると認めるときは、試問及び技能の検査を行うことができる。
(求職者の能力に適合する職業の紹介等)

出典:e-Gov「職業安定法」

 

私の方で気になったのは、5条の4である。

公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者及び求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者(次項において「公共職業安定所等」という。)は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報(以下この条において「求職者等の個人情報」という。)を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
○2 公共職業安定所等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
(求人の申込み)

出典:e-Gov「職業安定法」

 

そもそも、求職登録の受付が行われないという時点で、苦情処理について等様々な条項に抵触するのではないかと感じたが、真っ先に感じたのはその仕様上職業紹介に不必要な情報まで収集してしまう点である。

 

そこで今回、厚生労働省職業安定局需給調整事業課に対して、株式会社scoutyのホームページを確認して頂きながら見解を伺った。電話に対応して頂いた職員の見解を簡単にまとめると、以下の通りである。

 

  • 当該サービスは、求職者から求職の申込を受けて職業を斡旋しているとはいえない
  • 当該サービスを提供している事業者が行っているのは、インターネット上において個人が自主的に公開している情報を収集し、人材を欲している企業に対してその情報を提供しているものと推察する
  • 当該サービスの概要を鑑みるに、そもそもこのサービスは人材紹介業にあたらないと思われる。よって、その限りにおいて職業安定法に抵触するとは断言できない

 

要するに、株式会社scouty側ではマッチングという言葉を使っているものの、現状のサービス内容を鑑みるに、あくまで株式会社scoutyが行っているのは情報提供に留まっているため、そもそも人材紹介業としてみなして職業安定法に当てはめられるとは思えないということ。

※ただし、この見解はサービス内容を細やかに精査した上での判断ではないため、あくまで表面上このような判断に至ったという点に留意して欲しい。

 

そのため、仮に合法か違法かが争われるのであれば、それは個人情報の保護に関する法律が焦点になるだろうとのことである。

少なくともその点に関しては、個人情報保護委員会などの見解によるとしている。

 

ここまで読んだ人には拍子抜けの結論かもしれない。

AIスカウトが、法的枠組みの中で今後どのような扱いになっていくか分からないが、少なくとも職業安定法上は今回得た回答のようになるとのことである。

私としては、このようなサービスを望む人間は少なくないと感じる。

就活にせよ、転職活動にせよ、あまりに非効率で不合理な手続きが罷り通る現状を思えば、非常に合理的であり、求人者・求職者双方の負担軽減にも繋がるサービスではないかと考える。

 

しかし、その一方で誰も彼もが転職を望んでいるわけではないのは確かだ。

また、本来の意図に沿わない個人情報の取扱がなされれば、決して良いと感じない人間も多いだろう。

何より、それを嫌って様々なサービスの利活用が萎縮する可能性すらある。

転職活動のためにSNSやブログ、技術情報共有サービスを利用している人間など、極々限られた一部の人間だけなのである。

求人・求職とは何ら関係を持ちたくない不特定多数の人間にとって、何ら不利益が生じない形となるよう、今後改善が行われることを願ってやまない。

※追記

所謂HRテクノロジーと法律の関係については、労働・社保官庁手続&人事・労務専門誌である「ビジネスガイド」が2018年6月号において特集している。

その特集において、本件に近い内容に関して指摘がなされているため紹介したい。なお、同誌においても、本件のようなサービスは情報提供を行っているに過ぎないという前提を置いている。その上で、以下の記述がなされている。

個人が公表している情報をスクレイピングにより収集し、閲覧に供するというものがあります。このような情報提供についてもHRテクノロジーの利用が考えられますが、求職者等の個人情報については告示によって「個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならない」とされているのは前述の通りでありまして(職業安定法5条の4第2項参照)、サービスが先に情報をスクレイピングしたうえで、本人がこれに参加し、求職の意思を示すなど、「求職者等の個人情報」に至っているものについては、本人の同意を取るなどのシステムを備えている必要が生じます。

出典:月刊 ビジネスガイド 労働・社会保険、税務の官庁手続&人事労務の法律実務誌-6月号

つまり、個人情報収集にあたっては、本人の同意が取れるシステムが具備されている必要性が、一定条件下において必要とのことである。

今回紹介したscoutyの内容が、それに適しているかどうかは判断つかないが、同様のサービスが今後も登場し続けることは想像に難くない。

そのようなサービスが登場した際に、今回のような考え方があるということを、知っておいて頂ければ幸いである。




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