東京労働局長の発言は不適切だったのか?

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2018年3月末、東京労働局長が定例記者会見に際して、出席した新聞・テレビ各社の記者団に対して「皆さんのところに行って是正勧告をしても良い」といった発言を行ったと多くのメディアが報道した。

 

「是正勧告してもいい」 東京労働局長がマスコミを“恫喝”

東京労働局長が撤回 報道各社に「是正勧告してもいい」

「是正勧告してもいい」 マスコミに東京労働局長が失言

 

本件について、マスコミ・メディア各社の言い分は、「権力を振りかざした恫喝のようなものであり、不適切な発言だ」ということなのだろう。
しかし、この発言は本当に失言なのだろうか?

目次





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東京労働局長の発言に新聞・テレビ各社が色めき立つ気持ちは察する

 

東京労働局に限った話ではなく、厚生労働省直下の組織である労働局の仕事は、多くの人々が知っての通り、誰もが安心して働ける環境の整備であり、その為に行政サービスの提供や各種法制に基づいた雇用の運用が適切に行われているか監督することなどである。

 

身近なものとしては、ハローワークや労働基準監督署があげられ、お世話になったことのある人も少なくないだろう。今回問題視されている発言の下となっている是正勧告は主に労基署の仕事であり、簡単に言えば「法律に従った働かせ方をしていない事業所に指導しますよ」という内容である。

 

つまり、今回の発言をかみ砕いていえば「新聞・テレビ局の働かせ方に違法性があるのは分かっているから、指導に入ってもいいんですよ?」という内容であり、行政に許された指導行為を盾にして、新聞・テレビ各社を牽制したように見えるのは不思議ではない。

 

また、東京労働局長にその意思があったと見られてもおかしくはないだろう。そう考えれば、本件の発言が不適切な発言であり恫喝とも取れる許されざる発言だとマスコミ・メディア各社が色めき立つのも無理はないかもしれない。だが、あくまで私見を述べさせてもらえば、本件は双方に問題があるようにしか感じられない。

 

なぜ東京労働局長と新聞・テレビ各社の双方に問題があるのか

 

本件について、なぜ私が双方に問題があると感じるのか。その理由は主に以下の2点である。

 

  • 労働局長の発言が真であるならば、新聞・テレビ各社は違法な長時間労働などの不法行為を働いており、それは是正されなければならない。また、それを咎められる可能性を以て、恫喝だと喚くのは開き直りでしかない
  • 労働局の業務は労働法制が適切に運用されるよう監理することであり、違法性が確認できているのであれば、今回の発言のような牽制をする以前に、適切に取り締まらなければならず、それを行っていないのであれば、それは職務怠慢でしかない

 

つまり新聞・テレビ各社は、仮に不法行為を行っているのであれば、それを正すのが筋であり、東京労働局長の発言の揚げ足を取って騒ぐのは、自衛のためなのか、印象操作のためなのか分からないが、最早報道の体を成しているとは感じられない。

 

そもそも、これを恫喝だ失言だと喚くのであれば、東京労働局長のこの発言が真ではないことを示すのが先だろう。自分達は違法な長時間労働などをしていないと証明することこそが、権力の圧政だと報じることに繋がるのではなかろうか。それをしないのは、ほぼほぼ自分達の非を認めながら、そこから必至に目を逸らそうとしているのと大差ない。

 

東京労働局長も、是正勧告を行える確証があるのであれば、それをわざわざ見逃す道理がない。堂々と職務怠慢していると言わんばかりの発言を行うのは、まさしく不適切だろう。本件は、恫喝だの失言だのと言われる意味で不適切なのではなく、労働行政を監理する立場にありながら、その職務を放棄していると言わんばかりの姿勢を露見させていることこそが不適切なのである。この点については、厚労省から咎められても全くおかしくない汚点ではなかろうか。

 

新聞・テレビ各社の一体何に忖度しているのか知らないが、違法性が確認できているのであれば、すぐさまそれが合法的な内容になるよう正すのが、労働行政を監理する労働局のあるべき姿である。暢気に権力を振りかざして小山の大将ごっこをして遊んでいる場合ではない。それとも、何ら確証なくこのような発言をしたのだろうか。それならば、本件は確かにマスコミ・メディア各社が言うように恫喝的な失言といえるだろう。

 

ブラック企業問題が無闇に叫ばれる昨今だからこそ労働局の立場は重い

 

個々人の主観が強いため、事実がどうかは分からないが、労働行政の仕事振り、とりわけ労基法など労働三法の違反を取り締まる仕事に対する不満は非常に多く見られる。ブラック企業が問題視される昨今に至っては、不満が爆発して大きな話題になることも多く、中には単なる個人の怨嗟が元になったデタラメな内容を根拠に、ひたすら周囲を煽るような輩まで出る始末である。

 

SNSなどのおかげで、これまで表にならなかった悪質な雇用問題が明るみになり、その改善が図られるのは素晴らしいことだが、全く労働法制に悖らないデタラメな話を悪のように騙り、誤った情報が流れるのは、それはそれで大きな問題としかいえない。

 

だからこそ、労働法制を監督する立場にある労働局においては、今まで以上にしっかりとした業務の執行を行って欲しいものである。今回のような怠慢と見られるような発言には、注意して欲しい。マスコミ・メディア各社に関しては、報道する自由を笠に着て、我が身かわいさの単なる自己主張を、さも報道であるかのように吹聴するのはいい加減慎んで欲しいものである。

 





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