「休みたいのに休めない」妊婦を苦しめるマタハラ企業問題の解決策を妄想する

松島の風景です

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「仕事を休んだらクビになる」

とある体調を崩した妊婦に言われた言葉である。

当然ながら、体調不良で会社を休んだくらいで解雇するのは法律上困難であり、ましてそれが妊婦ともなれば不可能に近い。

しかし田舎の人間だからなのか中小企業勤めだからなのか分からないが、その妊婦はそう言って聞かないのである。

 

今回はそんな出来事にふれて感じたことをツラツラ書こうと思う。

※※1時間くらいでサラッと書きたかっただけなので、データなどは特に用いない雑記です※※






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妊婦への配慮義務を守らないマタハラ企業が存在する社会


最初に伝えておくが、職場において妊婦は原則守られるべき存在である。

人情的にどうとか道徳的にどうとかいう話ではなく、労働法制等の諸法令で妊婦に対する保護が求められている。

たとえ勤務先が大企業だろうと、田舎のショボい中小企業だろうと、その点に違いはない。

 

※参考1:職場における妊娠中の女性労働者等への配慮について

 

昨今の情勢を踏まえ、新型コロナウイルスに関する情報が多く見られるが、一応職場における妊婦への配慮については上記リンク(参考1)に書かれている。

TwitterなどのSNSでは、よく「日本企業は妊婦への配慮が足りない」「国は妊婦のことを全然考えていない」などと文句を並べる人間がいる。

確かに不備や不足はあるだろうが、そうは言っても妊婦を守るための制度は非常に多岐に渡って制度化されているのも事実なのだ。

それを守らない企業が多いに過ぎない(守らない以前に恐らく知らない企業が多い)。

 

閑話休題。

冒頭の話の続きに移ろう。

「(妊婦であっても)クビになるから会社を休めない」

そんな嘆きの声は、実のところ世の中で少なからず見られる光景らしい。

ある日突然、人事部長から退職するようすすめられたのです。理由は、「就職して間もないのに、つわりでしょっちゅう休まれては困るから」というものでした。

出典:「困るから」突然、退職をすすめられ… 実際にあった私のマタハラ体験談-【ベビーカレンダ】ー

 

◇マタハラの事例1:妊娠に伴う解雇や降格

・会社へ妊娠を報告したら、数週間後に「勤務態度が悪い」と解雇通知を受けた。後から知ったことだが、上司は産休・育休を取るような社員は勤務態度が悪いと見なしていた。

出典:マタハラ認定される発言3パターン-【マイナビウーマン】

いわゆる『マタハラ』と呼ばれるものである。

全く酷い話としか言いようがない。

だが、現実問題として全国で似たような話がごまんとあるのだろう。

中小企業の場合、元々の人員が少なく、一人に休まれるのも大変だという言い分はあるかもしれない。

だがそれは当然備えておくべき経営の問題でしかない。

妊婦に限らず、誰だって体調を崩して休むことはある。

一生涯健康であり続ける人間など、全世界を探したところでそうそういないだろう。

「いやいや、たまに休むかもしれない人間と頻繁に休む可能性がある人間は違うじゃないですか」

そんな声もあるかもしれない。

言いたいことは察する。

そうは言っても、余剰人員を一人も用意せず、あたかも誰もが常に欠けることがない前提で経営することは正しいのだろうか?

それはつまり業務量の増大にすら対応できないと言っているも同然で、やはり問題のある経営ではないだろうか?

このような押し問答をすればキリがないのでここまでとするが、いずれにしろ妊婦への配慮が現状義務づけられている以上、人員状態がどうであろうと妊婦に配慮しなければならない事実は不変である。

めでたく妊婦が職場内に誕生したのであれば、妊婦への配慮を前提とした経営をしなければならない。

「お前の経営能力がどれだけ低かろうと、お前が法制度を守らなければならない事実は変わらない」

という話である。

だが、当の妊婦側にしてみれば、そうもいかない。

経営者や同僚に強く出られる人間ばかりじゃないのだ。

「クビになるかもしれない」

「会社に迷惑をかけるかもしれない」

そんな不安を感じる以上、やはり解雇に怯えずにはいられないだろう。

どれだけ体調が悪くても休まない女性は消えないに違いない。

この問題は当人の問題であるのはもちろん、少子化が問題視される現代においては恐らく社会の問題でもあると思う。

休みたくても休めない。

この思いがもたらす社会への悪影響は計り知れないと感じる。


「休みたいのに休めない」妊婦たち!マタハラ紛いの問題を解決する方法は?


職場における妊婦への配慮が義務づけられているにもかかわらず、妊婦が会社及び自身への影響に怯えて休めない。

恐らくこの問題は解決すべき社会課題なのだろう。

「体調が悪くて休みたいけど休めない」

この点だけに絞れば、妊婦に限った話でもないのかもしれない。

私たちは、仕事を休む必要性があるにもかかわらず、とかく休めない。

いやさ、本音では休みたいのだ。

だけど休めないのである。

会社への影響、自分の立場への影響、様々な理由によってどうしても休めないのである。

では、休むためにはどうすれば良いのだろうか?

細かい話をすれば様々な意見があるだろう。

そもそも勤務先と当人由来の個別具体的な問題である。

ざっくり「こうすればいい!」なんて簡単な話ではない。

だが、やはりそんなことを言ってはキリがない。

このブログも締めるに締められない。

そこで、あくまで個人的な妄想を書きたいと思う。

保険をかけるわけでないが、恐らく抜本的な解決策にはならないだろう。間違いなく対処不可能な事案の方が多いと感じる。だが、それで救われる人間だっていくらかいるのではないか? そうも考える。

その方法とは何か?

労働者派遣法の改正」である。


妊婦の「休みたいけど休めない」を労働者派遣法の改正が解決すると感じる理由


労働者派遣法と聞いて「ふざけるな」と感じた人もいるかもしれない。気持ちは察しないでもない。だが少し落ち着いて欲しい。

少なくとも労働者派遣法はあなたの敵ではない。どちらかといえば味方である。というよりそもそも労働者派遣法の具体的な中身なんて知らない人間も多いだろう。

労働者派遣という言葉に脊髄反射的にキレているなら、尚落ち着いて欲しい。

 

閑話休題。

「休みたいのに休めない」問題の解決方法として、私が何故労働者派遣法の改正を一つの方策とするか伝えよう。といっても、あまり長くなると「読むのダリィよ」と感じるだろうから、ざっくり伝える。

 

「誰でも自分の代わりに働いてくれる人間を調達できればいいんじゃね?」

 

みたいな話である(※当然ながら調達するのは会社の仕事である)。

要するに、自分が休むことで人手が足りなくなって会社の業務に悪影響を与えずに済むようにしやすくする。

ただそれだけの話である。

「いやさ、俺の代わりなんて何処にもいねぇんだわ」

分かる。そんな人間も多いのは確かだと思う。だから今回の話は、代替人員で対応可能な仕事をしている人間に限った話である。

それと誤解しないで欲しい。多くの妊婦の仕事が代替できるなど思っているわけでない。代替人員で対応可能な仕事をしている妊婦の話をしているのである。

だから無理矢理超人的な日本語読解力を用いて炎上させようとするのは御免被りたい。

 

ところで、この話において何故派遣法の改正が必要なのか?

理由は簡単である。2020年9月現在、日雇い派遣が規制されているからである。その昔、リーマンショック後に派遣労働が問題となった。それによって、単発で働くことのできた日雇い派遣が原則禁止にされたのである(例外など、詳しくは以下参考2-3参照)。

※参考2:改正に関するQ&A

※参考3:クローズアップ 知っておきたい改正労働者派遣法のポイント

恐らく派遣労働の不安定さをどうにかしようとした改正だったのだろう。

しかしこの改正が生んだのは、どちらかといえば「スポットで働きたいときに働けなくなった」といった嘆きの声だったように思う。

折しも政府主導で副業が推進される時代。明らかにそのような時代背景にもそぐわない規制であるとも感じる。

そもそも日雇い派遣が雇用の不安定化を招くものなのかどうか自体に疑問を感じなくもない。だが今回の主題ではないので、ここでその話はしない。

何はともあれ、日雇い派遣が原則禁止されている環境では、休みたいときに代わりの誰かに働いてもらう(企業側からすれば代替人員を確保する)ことが叶わない。

だからこそ、労働者派遣法の改正が必要だと考えるのだ。

そうは言っても異論も多いだろう。分かる。何か規制を緩和すれば、それを悪用しようとするのが人情というものだ。

哀しいかな、雇用能力・経営能力の乏しいボンクラ企業に限って、そんなことにばかり頭を働かせようと努力するのも一定の事実である。

だから安易に改正などできないだろう。何よりもっと良い方法があるかもしれない。

そもそも企業側がちゃんと労働者ファーストの経営をすれば良いだけの話でもある。だから今回の話は、あくまで筆者の妄想に過ぎない。


少子化問題を解決するために妊婦を取り巻く問題を考えよう


妊婦の雇用や働き方、収入などにまつわる問題は非常に多い。

休みたいのに休めない問題以外にも様々な問題があるだろう。そしてそれらが少子化を招く原因になっている可能性も多分にある。

たとえば産前・産後期間は失業給付が受けられないといった話も問題だと考える人もいるだろう(産前・産後の休業期間中については、社会保険等から出産手当金が支給されるため、これが問題かは議論があると思う)。

いずれにせよ、日本において少子化が大きな問題となっているのは事実であり、何故現役世代が子供を作れないのか、作ろうと思えないかは突き詰めて考える必要がある。

妊婦を取り巻く問題も改めて洗い出す必要もあるだろう。今回の記事が、そういった考える機会を提供できたとすれば非常にうれしく感じる。

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